作成者:江原 早紀
いつも大変お世話になっております。JACの江原と申します。
皆さま、普段の日用品や食品はどのようにお買い物されていますか。コロナ禍以降、実店舗ではなくオンラインで食品を購入される方も増えているかと思います。私は個人的に、食品については「自分の目で見て選びたい」という気持ちが強く、平日に1回、週末に1回ほどスーパーマーケットで買い物をしています。
さて、今回このテーマを取り上げたのは、弊社関係会社にて日本産フルーツの輸入・卸事業を行っており、さらに今年から新たに和牛事業も開始したためです。JACの本分はマネージメントコンサルティング事業でありますが、日本産よりも中国産、韓国産商品の方が多く市場に出回っていることから「日本の良いものをインドネシアに。」をテーマに機会があれば商品の卸売りを行っています。
現在は、青森県産りんご、長野県産シャインマスカットや巨峰、新潟県産和梨などを取り扱い、ジャカルタ・バンドン・スラバヤを中心に、小売店、飲食店、ホテル、ベーカリー、スパなどへBtoBで卸しています。皆さまも日常の中で目にされたことがあるかもしれません。
和牛については、インドネシアで初めて輸入された愛知県産の「下村牛(しもむらぎゅう)」を取り扱っております。ここで少しだけ、その特徴をご紹介します。
【下村牛】
下村牛は、子牛の繁殖から肥育までをすべて自社で行う“一貫飼育”の和牛です。
飼料には米ぬかや自家製発酵飼料を用い、
牛に優しい自然な環境で丁寧に育てられています。
お肉は、口に入れた瞬間に上品な甘みと旨みが広がり、後味は驚くほどすっきり。
脂が軽く、赤身とのバランスが絶妙で、食べ疲れしないのが大きな魅力です。
神戸牛や松阪牛のような濃厚な脂の味わいとは異なり、
“毎日食べたくなる和牛”とも言われるほど、優しく上品な風味が特徴です。
焼いたときに広がるナッツのような香ばしさも印象的で、
海外でも高く評価されています。
脂の美味しさと赤身の旨みを兼ね備えた、まさに“次世代の和牛”です。
先日のJJM(ジャカルタ・ジャパン・祭り)では、焼肉レストランとコラボし下村牛の牛丼を販売しました。また、10月11日(土)には、Ristorante SOLOの有名シェフ・Chef Jovanとのコラボによるスペシャルランチコースを開催予定です。(要予約・限定50席・抽選商品付き。詳細は別添フライヤーをご覧ください。)
日本産青果を扱う上で常に意識しているのは、いかに中国・韓国など他国の安価な商品と差別化し、日本産の素晴らしさを伝えるかという点です。
「Lebih Aman, Lebih Sehat, Lebih Enak(より安全に、より健康的に、より美味しく)」をモットーに、日本産ならではの品質・安心感・味わいで勝負しています。
近年では、日本産品種の違法な種苗流出や利権問題も大きな課題となっています。
2021年の読売テレビでは、無断流通されたシャインマスカットの品種は約36品種にのぼり、被害総額は年間約100億円規模と報じられました。
2020年の種苗法改正では、違反した場合、個人は懲役10年以下または罰金1,000万円以下、法人は3億円以下と規定されています。
厳しく取り締まる前に流出した品種は、すでに海外各国で栽培や改良が進んでおり、特に中国産シャインマスカットはこの3〜4年で品質が大きく向上しました。
しかしながら、見た目が似てきても「香り」と「後味」は日本産オリジナルとは明確に異なります。
その理由の一つは、日本の果物農家は木を非常に大切に扱い、樹齢20〜30年以上の木を継続して栽培していることにあります。年を重ねた木から採れる果実は、味が凝縮し、より濃厚で安定した品質になるといわれています。こうした「匠の技」と「長年の経験」に基づいた栽培こそが、日本産の強みです。
今月はシャインマスカットと巨峰、来月からはりんごが小売店に並ぶ予定です。
見かけた際は、ぜひ一度手に取っていただければ幸いです。