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第11回  JAC’Sブログ
インドネシア第二の都市スラバヤへのいざない

2025. 07. 17 | JAC Blog

作成者:稲葉 光丞

読者の皆様、どうもこんにちは。

先月のブログ(2025年6月23日掲載)で取り扱った、ロンボク島へは行かれましたでしょうか。行ってきたよという方、是非とも感想を教えていただけますと嬉しい限りです。

さて、今回は、ロンボク島から西へ飛行機でおよそ1時間の場所にある、東ジャワ州最大都市スラバヤについて、これまで計10回ほど、出張や遊びで訪れた筆者の目線で綴りたいと思います。

スラバヤは、ジャワ島東部に位置し、ジャカルタに次ぐインドネシア第二の都市です。金融・保険・輸出入関連企業が多く集積し、初代大統領スカルノの出身地でもあります。ジャカルタやバリ島と比べると認知度はやや低いですが、洗練された魅力は年々高まっていると思います。

前スラバヤ市長のTri Rismaharini氏(当時、スラバヤ初の女性市長)の任期時から、街全体の緑化活動を積極的に推進し(例:北九州市との技術協力により、家庭の生ごみを堆肥化して緑地整備に活用ほか)、緑のオープンスペース(整備された公共の緑地空間。通称RTH)が22%に到達(インドネシア政府推奨の最低基準20%を上回る。ちなみにジャカルタのRTHはわずか10%弱)。そして平均気温2℃ほどの低下にも繋がりました。これらの功績により、スラバヤ市は、Adipura Kencana賞(インドネシア環境・林業省が主催する都市美化表彰制度)を8年連続受賞しています。

教育面では、インドネシア有数のアイルランガ大学やスラバヤ工科大学といった名門大学をはじめ、高等教育機関が集積しています。また、スラバヤ近郊のシドアルジョ(Sidoarjo)エリアには、医療系の学校が点在しており、ある某日系医薬品メーカー様は、優秀な医療系専攻の学生を呼び込みたいとのことで、工場をSidoarjoエリアに設けたそうです。

暮らしの利便性の面では、インドネシア国内で1位・2位を誇る大型ショッピングモールが揃い、その1位のショッピングモールであるPakuwon Mall内に、AEONのスーパーマーケットが今年中にオープン予定と、現地では話題になっているそうです。ちなみに、日系食品スーパーマーケットのパパイヤは、スラバヤ市内に現在3店舗あります。交通面では、ジャカルタ名物とも言える渋滞(Macet)が、スラバヤでは比較的少なく移動はスムーズで、ジュアンダ空港からは、マレーシアやタイなどを結ぶ国際線の利用も可能です。さらに、ジャカルターバンドン間の高速鉄道(Whoosh)について、スラバヤまでの延伸計画が以前議論されており、今後の交通利便性向上にも期待が高まってくるでしょう。

続いて、スラバヤの人々についてはどうでしょうか。スラバヤといったら、日本の大阪みたいな感じという記事を、以前目にしたことがあります。気が強い人が多いのではと最初は思っていましたが、何度か現地に行くうちに、穏やかで余裕のある方が多いなとつくづく実感しました。スラバヤ在住のインドネシア人の友人曰く、「開放的で人付き合いが良く、寛容な人が多い。ジャカルタの人と比べて、気が短い人はあまりいない」とのこと。これは、スラバヤ在住の日本人に関しても同じことが言えるなと感じます。2022年夏、初めてスラバヤへ出張で行った日に、新規でご挨拶訪問させていただいた某日系企業の日本人マネージャーの方をきっかけに、多くの日本人在住者をご紹介いただきました。初対面にも関わらず、まるで昔からの知り合いのように気さくに接していただいたのを今でもよく覚えています。のちには、スラバヤの日本人ソフトボールチームやバスケットボールチームの練習や試合、総会などにも参加させて頂きました。そのマネージャーの方は既に本帰国されてしまいましたが、たまに連絡を取り合っています。

次に‘人材’の観点では、スラバヤにあるいくつかの某日系企業様からは、東ジャワ州全体が村社会の側面もあり、従業員の定着率が良いと聞いたことがあります。海外は人材の流動性が高いと言われている中でも、従業員の長期的定着を望まれる企業様(特に日系企業)は、ジャカルタ近郊ではなく、スラバヤ進出を検討されても面白いと思います。2025年度のスラバヤの最低賃金(UMK)は、Rp 4.961.753,00(日本円で約45,000円)とジャカルタよりもやや低めです。

ここで少しブレイクタイム。筆者が個人的におすすめする、スラバヤの楽しみスポットを一つご紹介します。

・夜のスラマドゥ大橋をバイクでツーリング:この橋は、スラバヤがあるジャワ島と、その北東に位置するマドゥラ島を結ぶ全長5km以上の巨大な橋で、特にマドゥラ島からジャワ島へと向かう際、夜風を感じながら、ライトアップされたスラバヤの夜景を眺めつつ橋をバイクで走る時間は、まさに格別です。
※12月31日は、おそらく年越しの混雑対策や安全面の配慮なのか、バイクでの通行は出来ませんでした。

さて、本題に戻ります。ジャカルタでの仕事や日常生活に少々疲れを感じている方々、気分転換も兼ねて、“Kabur Aja Dulu”(とりあえず逃げよう)の如く、“Kabur Ke Surabaya(スラバヤへ逃避)”を試みてはいかがでしょうか。筆者自身も、「Kabur Ke Surabaya」を計画中で、今年開催予定のスラバヤ日本祭り(EJJC主催)へ遊びに行こうと思っています。

最後になりますが、インドネシアで何かしら事業展開をご検討されている方々におかれましては、スラバヤへの進出も一つの選択肢として持っても良いかと思います。弊社では、スラバヤも含めたインドネシア進出・市場調査も行っておりますので、是非、お気軽にお問い合わせください。