ジャカルタの交通渋滞は、もはや都市の欠陥ではなく名物である。朝夕の通勤ラッシュ時は言うに及ばず、昼間でも車列が微動だにしないことは日常茶飯事だ。世界の渋滞都市ランキングで常に上位に名を連ねるこの街で、人々は怒りよりも諦観を選んだ。そして同時...
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よもやまノンキインドネシア (第50回)
「地形と信仰が支える独自の死者観 バリ島トルニャン村の風葬儀礼」
バリ島東部バトゥル湖のほとりにひっそりと位置するトルニャン村は、数あるバリの伝統文化の中でも、最も特異で誤解されがちな風習を守り続けている。それが、死者の遺体を土に埋めず、棺にも入れず、自然の中にそのまま横たえる“風葬”の伝統である。観光地...
よもやまノンキインドネシア (第49回)
「路上に息づく伝統薬ジャムウの物語 苦味に宿るインドネシアの生薬文化」
「良薬口に苦し」とは、身に沁みる良い忠告ほど耳に痛いという意味だが、もともとは“よく効く薬は苦い”という意味だ。インドネシアの伝統薬「ジャムウ(Jamu)」を飲めば、この言葉の本来の重みを実感するだろう。市場の片隅や街角で、大きな籠を背負っ...
よもやまノンキインドネシア (第48回)
「ウルトラカナンと称される高市首相 笑顔で縮めるプラボウォ大統領との距離」
韓国・慶州で開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)。各国首脳が一堂に会する舞台で、日本の高市早苗首相とインドネシアのプラボウォ・スビアント大統領の一幕が注目を集めた。話題となったのは、プラボウォ大統領が資料に目を通している際、高市首...
よもやまノンキインドネシア (第47回)
「和平ではなく制度で平和を BPJSが示す日常の平和への実践」
2025年のノーベル平和賞は、ベネズエラの反体制派活動家で野党指導者のマリア・コリナ・マチャド氏に授与された。彼女は長年にわたり独裁政権下で民主的権利を訴え続けた勇気ある政治家である。ノーベル委員会のフリードネス委員長は、マチャド氏は命を狙...
よもやまノンキインドネシア (第46回)
「76兆ルピアの投資が揺らぐ 食中毒多発で問われるMBGの衛生観念」
インドネシア政府が進める「無料栄養食(MBG)」プログラムが、全国的な混乱に直面している。栄養改善と教育支援を目的に始まったこの国家的プロジェクトで、相次ぐ食中毒事件が発生。政府は調理場運営部門(SPPG)の一時閉鎖という異例の措置に踏み切...
よもやまノンキインドネシア (第44回)
「インドネシア入国手続きが刷新 新デジタル到着フォームで一元管理」
今月1日、インドネシアは入国する旅客に対する大きな変革を実施した。これまで空港や港で手書きや別々の電子フォームとして提出されていた到着カードや税関申告が廃止され、新たなデジタル到着フォーム「All...
よもやまノンキインドネシア (第43回)
「ポップなスラングに潜む 変容した消費社会の経済的不安」
インドネシア人の友人と話していると、時折全く聞き馴染みのない新しい言葉に出会うことがある。最近話題になっている「ロジャリ」「ロハナ」、そして「ロブリ」もその一つだ。軽快で耳に残る響きと日常生活に密着したポップさが共感を呼び、大きな話題となっ...
よもやまノンキインドネシア (第41回)
「学歴も経験もない男が育てた希望 熱意が生んだ支援なき中の成功物語」
インドネシア東部フローレス島のマウメレ港からほど近い一角に、600本ものパパイヤの木が並ぶ庭園がある。その庭園を育て上げたのは、農業の知識もなく、小学校の卒業証書さえ持たない一人の港湾労働者マリオノ・マルソン氏。...